「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉は、当たり前のように使われるようになりました。フランチャイズビジネスにおいてもDXへ取り組みは必須と言っても過言ではなくなっています。
フランチャイズ本部におけるDXへの取り組み
フランチャイズ本部のDX戦略としては、直営店を既存事業においてビジネスの効率化・合理化を図り、収益性を向上させていくことを目的とする場合と、新たなビジネスの創出を目的とする場合の2種類あります。
新たなビジネスを創出した例としては、Uber Eatsが挙げられます。これは、従来のデリバリービジネスを単にデジタル化したのではなく、新しいデジタル技術(クラウド、ソーシャル、ビッグデータ、モバイル等)をフル活用し、新たに料理のデリバリー事業を始めたい飲食店と、お金を稼ぎたい一般人(配達パートナー)をつなげるという、新しいビジネスモデルを作り上げました。さらに、Uber Eatsの仕組みを活用した「ゴーストレストラン」という業態も生まれ、このフランチャイズモデルも生まれました。
フランチャイズ本部におけるシステムの導入方法
まず直営店において最低限必要なシステムと、本部と店舗を結ぶシステムを構築し、本部の発展段階に応じて必要なものを構築することが現実的なステップです。
ITの導入方法として、大きくは「オンプレミス」と「クラウド」に分けることができます。
オンプレミスとは、自社開発・自社運用とも呼ばれ、IT(サーバーやソフトウェアなど)を、フランチャイズ本部(企業)が管理する施設内に設置し、運用することを指します。
オンプレミスの場合、開発時だけでなく、保守・運用にもコストがかかることも考慮しておかなければいけません。コストを抑えたいのであれば、既存のクラウドサービスに業務を合わせ、フランチャイズ・チェーンとして決して譲れない部分のみ、ごく限られたカスタマイズを行う方法もあります。
一方、クラウドの場合、企業が使用する情報システムを、拡張可能な仮想環境にて提供します。通常、利用者は必要な分だけの料金を支払うことになります。また、事業の拡大に合わせて、サーバーやサービスの拡大を柔軟に行うことができます。ITに関わるトータルコストを抑えつつ、効率的なIT運用を行うことができます。
但し、クラウドの採用に当たっては、次のような点に注意する必要があります。
- 企業(本部)の独自機能が必要な場合、対応ができない可能性がある。この対応をするためのカスタマイズが必要となると、その分のコストが大幅にかかる場合があり、自社開発との比較検討を行うこと。
- 利用者数の増加に伴い、ランニングコスト(利用料)が大幅に増加する可能性がある。将来の拡大計画も検討すること。
- 取り扱う情報の取扱いをクラウド事業者に委ねることになる。その可否を判断すること。
- 情報の流通経路全般にわたるセキュリティが適切に確保されるのか確認が必要。そのためにも、自社にてセキュリティ要件を定めること。
- 海外のクラウド事業者によるサービス提供の場合、国内法以外の法令が適用されるリスクを評価すること。
- クラウドサービスの中断や終了の可能性がある。その場合、円滑に業務を移行するための対策を事前検討しておくこと。
「オンプレミス」とするか「クラウド」とするか、自社に適した方法を調査・検討をしましょう。
構築のステップ
自社独自のITを構築する場合のステップについて解説します。
ITを構築する際に最も重要なことは、ITにどのような目的を持たせるかを明確にし、それに沿ったシステムを構築することです。そのためには、システムを構築する時に以下のポイントを「システム要件」として整理します。
- そのシステムを構築する目的
- 現状の仕組み・システムが抱える課題
- システム構築で実現したい姿(目標、あるべき姿)
- 運用を開始したい時期
- この実現にかけられる費用
これらのポイントが整理できれば、システム会社へRFP(提案依頼書)を提示したり、既存のパッケージソフトの機能で要件をまかなえるのかを確認したりすることが可能になります。また、3、4、5の優先度と、3の中の要件の重要度を予め決めておくと、決定の際の判断が容易になります。
IT活用の参考サイト
「ITを活用して、ビジネス競争力向上を目指す」ことを目的に、独立行政法人 中小企業基盤整備機構が「IT戦略ナビ(https://it-map.smrj.go.jp/)」というもの運営しています。このサービスを利用すると、IT戦略マップというものが作成できます。これは、「どのようにITを活用したら、ビジネスが成功するか?」というストーリーを1枚の絵にまとめたものです。いくつかの質問に答えていくことで、自社の戦略の実現や課題の解決につながるITソリューションと、その具体的なITサービス(アプリ)を案内してくれます。まずは、このようなサービスを使ってみるところから始めてみても良いでしょう。
アメリカンジムのDX
各店舗は、フリスポPASSシステムを導入することで、無人365日24時間の営業が可能です。
利用料(売上)は、フリスポPASSシステムを通じて精算し、一定の手数料等を控除後、各加盟店へお支払いします。
面倒な会費の精算は全て本部が実施。加盟店様は、手間のかかる会費の精算業務をせずに、結果の報告を確認するだけ。オーナーの時間も人件費も楽になって、多店舗展開もしやすくなります。
また、このシステムによりアメリカンジムに所属する全てのお客様は、当FCに所属する全ての加盟店店にとってのお客様として管理が可能になります。お客様が最初に入会した加盟店には、一定金額の売り上げを支払い続ける仕組みです。
アメリカン・ジムの長年の豊富な実績によるノウハウと充実のサポートで、オーナー様が数十年続けられるフランチャイズ店舗の開業・運営を支えていきます。