今回は、ちょっとむずかしい?フランチャイズビジネスに関わる法律についてご紹介したいと思います。
フランチャイズに法律はあるのか?
事業を展開する上で法律は無視できません。当然ながら、フランチャイズビジネスにおいても同じことです。では、フランチャイズビジネスに関係する法律には何があるでしょうか。
実は、日本にはフランチャイズビジネスの規制を直接の目的とした法律は存在していません。
フランチャイズ本部から加盟者に対する情報開示や運用のあり方について、「中小小売商業振興法」と「独占禁止法」に一部定めがあるだけです。前者は、日本の小売業の近代化や振興を図ることを目的としており、後者は、不当な取引制限や不公正な取引方法を禁止して自由競争を促進することを目的としています。これらの法律はフランチャイズビジネスの一部だけしか見ていません。そのため、公正取引委員会の運用(フランチャイズ・ガイドライン等)と、裁判の判例によって補われているのが実体です。
その他法律
前述の法律以外には、商標法、不正競争防止法などが重要な法律となります。フランチャイズチェーンの看板(商標)のもつ集客力や信用性などが、チェーンの重要な価値だからです。その他にも、民法、商法、特定商取引法、特許法、製造物責任法などがフランチャイズビジネスに関係します。
業界の自主基準
法律以外では、業界の自主基準が定められています。
フランチャイズビジネスの健全な発展のため、一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会から、「一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会倫理綱領」「加盟者希望者への情報開示と説明等に関する自主基準」「フランチャイズ契約の要点と概説」などが発表されています。
以上、見てきたように、フランチャイズビジネスを直接的に規制する法律はありませんが、様々な法律や自主基準によってフランチャイズビジネスが成り立っています。
健全なフランチャイズビジネスを展開するためには、法律や自主基準を正しく理解しておくことが必要となります。